ランチャーツールRaycastの使い方と設定
どうも。 えーたん(@eetann092)です。
MacのランチャーツールRaycastを使ってみました。
本記事では、Raycastで行った設定を紹介します。
Raycastとは?
RaycastはMacで使えるランチャーツールです。 アプリケーションの起動やファイル検索、GoogleやTwitterなどの検索、電卓などが使えます。 また、bashやPythonなどのスクリプトを書くことで、いつものタスクをRaycastから呼び出すことができます。
クリップボード履歴にホットキーを設定
Raycastでクリップボード履歴を表示・検索・管理できます。
リンクであれば、command + o
を入力するとブラウザで開けます。
以下のように、画像でも表示されます。
クリップボードにあるテキストがカラーコードなら、その色も表示してくれます。
さらに、command + k
でメニューを開き、他の形式に変換もできます。
筆者はホットキーにoption + v
を設定してクリップボード履歴をすぐに呼び出せるようにしています。
エイリアスを設定
アプリケーション名やコマンド名にエイリアスをつけることができます。
名前が他のアプリケーションやコマンドと似ていたり覚えづらい場合、 エイリアスをつけると検索しやすくて便利です。
筆者のエイリアス設定を一部紹介します。
Name | Alias | |
---|---|---|
1Password | 1p | パスワード管理 |
Digital Color Meter | color picker | Mac標準搭載のカラーピッカー |
Finder | fi | Mac標準搭載のファイルマネージャー |
GIPHY Capture | gif | GIF撮影ツール |
Slack | sl | チャット |
TweetDeck | tw | Chromeの「ショートカットを作成」から作れます |
システム環境設定 | system | Macのシステム環境設定 |
File Search | f | Raycastのファイル検索 |
ちなみにエイリアスの文字数の上限は16文字です。
ウィンドウの配置にもエイリアスをつける
RaycastのWindow Managementを使って、ウィンドウを配置できます。 Window Managementには、2分割・3分割・4分割・6分割・最大化などのコマンドがあります。
たとえばBottom Left Quarter
コマンドは、
「4分割した画面の左下」に現在アクティブなウィンドウをリサイズして配置できます。
筆者は「3分割」なら1/3
、左側ならl
、中央ならc
、右側ならr
のような法則でエイリアスをつけています。
Name | Alias |
---|---|
First Third | 1/3 l |
Center Third | 1/3 c |
Last Third | 1/3 r |
Bottom Center Sixth | 1/6 bc |
Bottom Half | 1/2 b |
... | ... |
エイリアスをつければ、ショートカットキーを覚える必要はありません。
たとえば4分割をする場合、
Raycastで1/4
と入力し、検索結果のアイコンを見て「左下」「右下」……を判断して配置します。
Quicklinksでどこからでも検索
Quicklinksにリンクを設定すると、わざわざブラウザで検索画面を開かなくてもすぐに検索できます。
検索のクエリは、{Query}
のように{}
で指定します。
たとえば、DevelopersIOの記事だけをGoogle検索したい場合は以下のように指定します。
https://www.google.com/search?q=site%3Adev.classmethod.jp%20{Query}
localhostを開く
ポート番号を指定してlocalhostを開けるように以下のリンクもQuicklinksに登録しました。
http://localhost:{port}
Slackの特定のチャンネルを開く
Slackの特定のチャンネルをすぐに開けるリンクも登録しました。
slack://channel?team=XXXXXXXXXX&id=YYYYYYYYYYYYY
XXXXXXXXXX
はチームIDを指定します。
ブラウザでワークスペースを開いたときのhttps://app.slack.com/client/XXXXXXXXXX/threads
で分かります。
YYYYYYYYYYYYY
はチャンネルIDを指定します。
チャンネル名の右クリックメニューから取得できるチャンネルのリンクhttps://hoge.slack.com/archives/YYYYYYYYYYYYY
で分かります。
RaycastのExtensionを入れる
Raycastは、Storeで公開されているExtensionを入れることで機能を拡張できます。
おすすめはEmoji Searchです。
ReactでExtensionを書けるようなのでネタを思いついたらまたブログ書きます。
Script Commandsを追加する
RaycastのScript Commandsでは、 bash、AppleScript、Swift、Python、Ruby、Node.jsを使ってまとまった処理を実行できます。
設定画面のCreate Script Command
からテンプレを使ってスクリプトを生成できます。
現在のタブのURLをSlackの分報へ入力
SlackのAPIを使わずにAppleScriptのみで「現在開いているブラウザのタブのURLを、Slackの自分の分報チャンネルに入力」を実現します。
実行の流れは以下です。
- ブラウザで今開いているタブのURLを取得
- Slackの分報チャンネルを開く
- 取得したURLを入力する
- カーソルを先頭へ移動する
URL共有時にはコメントを添えることが多いため、送信までは行いません。
コードは以下です。
#!/usr/bin/osascript # Required parameters: # @raycast.schemaVersion 1 # @raycast.title Share now link to Slack # @raycast.mode silent # Optional parameters: # @raycast.icon ? # @raycast.packageName eetann # Documentation: # @raycast.author eetann # @raycast.authorURL https://github.com/eetann/ tell application "Google Chrome" to set currentTabUrl to url of active tab of front window open location "slack://channel?team=XXXXXXXXXX&id=YYYYYYYYYYYYY" delay 1 tell application "System Events" keystroke currentTabUrl key code 0 using control down end tell
Slackの特定のチャンネルを開く処理はQuicklinksと同じ方法です。
open location
でSlackのチャンネルが実際に開くまでの時間を考慮して、遅延を入れています。
カーソルを先頭へ移動する処理はcontrol + a
のキー入力で実現しています。
分報チャンネル以外でも、特定の話題を扱うチャンネルで使えそうです。
Slackの〇〇一覧を開く
Slackの「ブックマーク」「メンション&リアクション」「スレッド」をSlack以外のアプリケーションで作業していてもすぐ飛べるようにします。
以下は、Slackのブックマークを開く例です。
#!/usr/bin/osascript # Required parameters: # @raycast.schemaVersion 1 # @raycast.title Jump to Slack Bookmarks # @raycast.mode silent # Optional parameters: # @raycast.icon ? # @raycast.packageName eetann # Documentation: # @raycast.author eetann # @raycast.authorURL https://github.com/eetann/ tell application "Slack" activate delay 0.5 tell application "System Events" key code 1 using {command down, shift down} end tell end tell
Slackのショートカットキー入力をAppleScriptで代行して実現します。
key code 1
の部分を変えれば別のページに飛べます。
key code 46
なら「メンション&リアクション」、
key code 17
なら「スレッド」です。
key codeについてはComplete list of AppleScript key codesを参考に指定しました。
他の人が書いたScript Commandsを使う
raycast/script-commandsにたくさんのScript Commandsの例があります。
おすすめはクリップボードの画像を特定のディレクトリに保存するsave-image-from-clipboard.pyです。ただし、Pollowのインストールが必要です。
pip3 install --user Pillow
今回は扱いませんでしたが、出力形式についてはscript-commands/OUTPUTMODES.mdに書かれています。
AppleScriptをスクリプトエディタで編集して保存するとUTF-16LEになります。 気になる方はいつも使うテキストエディタだけで編集しましょう。
紙吹雪とライトセーバー
Confetti
コマンドで紙吹雪が出ます。画面共有時に良いかもしれません。
Toggle Lightsaber
コマンドではマウスカーソルがライトセーバーになります。
リンク集
参考